本記事は、佐々木クリスによるGame 4振り返りライブ配信をもとに、AIがダイジェスト形式で構成したものです。分析の詳細や熱量をそのままお届けするため、ぜひ本編動画もあわせてご覧ください。


29点差。残り9分未満で17点以上のビハインドを抱えたチームのNBAファイナルでの戦績は「0勝96敗」——それがニューヨーク・ニックスによって書き換えられた。

名実況マイク・ブリーンが「NBA史上最高の逆転劇」と断言したGame 4。なぜこれほどの逆転が可能だったのか、5つの視点から整理した。

KATの早期ファールトラブルが生んだ「相乗効果」

開始わずか80秒でカール=アンソニー・タウンズが2ファール。これが試合の構図を根本から変えた。スパーズはG2以降、タウンズに対してオフボールスイッチやプレスイッチを駆使する複雑なディフェンスを構築していた。タウンズがベンチに下がることで、スパーズはウェンバンヤマを中心としたオーソドックスな守備に戻れる。オフェンスの出力が高まり、ディフェンスも安定する。その相乗効果が、前半76-49という爆発的なスコアを生んだ。

スパーズが「雑に攻めた」後半

前半だけで3P14本成功はファイナル史上最多だった。しかし後半はわずか3本。Q3はペイントエリア得点がゼロに終わった。ショットクロック12〜13秒残しての早打ち、コンテストを受けながらの強引なショット——いつの間にかスパーズは「雑に攻める」モードに入っていた。

100mレースの話がある。ゴールのテープを100mに置いた時と、110mに置いて100m通過タイムを測った時、後者の方が成績が良いという。人間は無意識にどこかで力を抜いてしまう。前半の大量リードがその心理を引き起こした可能性は十分ある。

マイク・ブラウンHCの「フィルムなし」という選択

「フィルムは見せないことにした」——ブラウンHCはハーフタイムに映像分析を一切行わなかったことを明かした。選手たちに伝えたのはこの一言だった。「まだプレー時間は十分ある。少しの運も必要だが、自分たちのバスケをやり切ろう。そうすればその運を自分たちで引き寄せられる」。そして「4Qに入るまでに点差を15〜17点まで縮めれば、必ずチャンスは生まれる」とも。

ゲームプランは変えず、強度だけを上げた。選手たちはその通りに遂行し、その通りの展開を実現した。

アルバラードというX-ファクター

4Q出場9分40秒、プラスマイナス+17。このシリーズ、ブランソンとアルバラードがプレーオフで同時にコートに立ったのはGame 4が初めてだった。アルバラードが生んだのは単なる得点ではなく、スパーズのローテーションに混乱を生じささせるリズムの変化だ。Q4最初の3Pがリムに弾んでで入るような幸運も重なり、ニックスの後半オフェンシブレーティングは131.8に到達した。ニックスのオフェンスに火をつけたのは、誰もが予想しなかった選手だった。

フォックスのレイアップとOGの「チェイスダウンブロック」

残り13秒、1点リード、ルーズボールを拾って単身ゴールへ——フォックスの判断を責めることはできない。キャム・ジョンソンはポッドキャストでこう述べた。「あの刹那での判断は極めて難しい。フリースローを狙うより、レイアップの方が確率が高いとフォックスが考えるのは自然だ」。

さらに、フォックスのキャリアにおいて、あのトップスピードで追いつかれブロックされた経験はおそらくなかった。指一本のチェイスダウンブロック——OGにはその経験がなん度もある。「経験」が生んだ超絶プレーだ。

直後、ブランソンの3Pミスに合わせてクラッシュし、残り1.2秒でチップインを沈めた。OGによる「ザ・ティップイン」——2016年の「ザ・ブロック」に並ぶ名場面が誕生した。


シリーズ通算の点差はわずか8点。「ホップステップを飛ばしてワープしてきた未完成のチーム」が世界最高の舞台でここまで戦えているという事実こそ、スパーズの非凡さを証明している。G5はFrost Bank Center。ニックスが優勝を決めるか、スパーズが歴史を書き換えるか——このシリーズはまだ終わっていない。