本文:
制限付きフリーエージェントだったキャム・トーマスが、ブルックリン・ネッツと1年間600万ドルのクオリファイングオファー契約を締結したと、ESPNが第一報を伝えました。
ネッツも正式に再契約を発表しましたが、契約の詳細は公表されていません。
Welcome back, CT! pic.twitter.com/8uhi6zuig7
— Brooklyn Nets (@BrooklynNets) September 4, 2025
トーマスの代理人は、2年3000万ドル(2年目はチームオプション付き)の案や、1年950万ドル+インセンティブで最大1100万ドルの案を提示したものの、トレード拒否権を放棄することが条件だったため合意に至らなかったとされています。
そのため4年のルーキー契約が終わった23歳は、トレード拒否権を含むクオリファイングオファーを選択。2026年のオフに「完全フリーエージェント」になることを優先したとみられます。ESPNは、来年の夏は少なくとも10チーム以上がキャップスペースを持つ見通しと伝えており、トーマスもより大型契約が結びやすくなります。その一方で、怪我などによって望むべき結果が得られないリスクも当然存在します。
アメリカ国籍ですが日本の神奈川横須賀市生まれのトーマスは、稀代のバケットゲッター(スコアラー)としてファンに認知されています。昨シーズンは25試合に出場し、平均31.2分の出場で24.0得点、3.8アシスト、3.3リバウンドとキャリア最高の数字を残しました。一方でオフェンスではプレーメーク、そしてディフェンス面の課題を指摘する声も少なくありません。それらのレベルアップが来季の契約、ひいては今後のキャリアを左右するでしょう。
また、ネッツは2025 NBA ドラフトで1巡目指名権5つを使い、ディフェンダーのみならず将来性ある3人のプレーメーカー / ガードと、ボールを扱うことに長けたオールラウンドなビッグマンを獲得しています。チームがドラフトした新人たちにボールを預けて育てようとすれば、自ずとトーマスにとってショットとプレーメーキングの機会が減少することが想定されます。トーマスが完全FAに向けてアピールできる場面がどれくらい与えられるのか、不透明なまま新シーズンに突入することになるでしょう。