2025年10月8日に行われたプレシーズンゲームを佐々木クリスがレビュー!Chris Sasaki breaks down the preseason game Bulls vs Cavaliers held on October 8, 2025!
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①エバン・モーブリー ボールプッシュとトランジションゲームは今季もかなり強調されることが確信に変わった。チームのクイックリスタートから、トランジションの中でフレアスクリーンをかけて彼の3ポイントを狙わせるなどビッグマンと言うより"ウィング”としての活用がどんどん進んでいる印象を受けた。もともとボールハンドリングとパッシングは卓越している中で、24歳のモーブリーが名実ともにチームのNo.1プレーヤーへと上り詰めることが、今季のキャバリアーズを左右すると言っても過言ではない。彼の成長過程で昨季記録した3ポイント成功率37%は非常に重要な数字。3P%を維持できればヤニス・アデトクンボに勝るとも劣らない選手になる可能性は十分だ。現時点で既にスイッチして相手のボールハンドラーを守る能力や、ボールスクリーンのマネジメント能力はヤニス以上。昨季24-25シーズンのDPOY(NBA Defensive Player of the Year Award)を獲得し、今季もこの賞をめぐってウェンバンヤマと争うであろうモーブリー。ウェンバンヤマ、ホルムグレンの2人と誰が先にシーズンMVP級へと上り詰めるのか。その成長は発見と驚きに満ちていることだろう。
背景をもう少し付け加えておくと、キャバリアーズは昨季ベンチから大きく貢献し、昨季の6th man 投票で3位につけたフリーエージェントのタイ・ジェロームとの契約を敢えて見送ったようにみえた。そのジェロームはその後、グリズリーズと3年2770万ドルの契約を結んだ。かわりに、キャバリアーズは7月6日にアイザック・オコロをトレードしてPGのロンゾ・ボールを獲得。ペースを押し上げ、前線へのパスにもディフェンスにも定評があるロンゾだが、プレータイムは20分ほどにコントロールしたいとアトキンソンHCは既に表明している。その中でキャリア3ポイント成功率40.2%でリバウンド力もあるポーターJrが果たす役割は少なくないはずだ。もちろんこのゲームではダリアス・ガーランドが欠場していたこともあるが、昨季の平均10.1分からどのくらい飛躍できるのか、特にシーズン序盤は注視したい。